伊豆諸島で転地療養した話③ 神津島村落あるき~星空観察
前回までのあらすじはこちらから。
アクティビティ・村落あるき
島上陸2日目。この日は断続的な雨予報。
午前中にサクっと村落の中を歩いて、午後の雨が止んでいるうちに温泉にまたゆっくり浸かりに行こうと考えていた。
掬って食べたいほど海が青い。でも防波堤の向こうは白波が目立つ。
さるびあとドルニエは通常運行、下田船は欠航という町内無線を聴いた。
…………どう見ても2項道路のオンパレード。
でもそういった路地空間にこそ、生活感が宿り、人を誘い込む魅力を醸すものだと感じる。
蛇行する坂道+擁壁を見ると、東伊豆のまちの景色と重なるものがある。
猿田彦大神。村落のあちこち、特に道の角によく見られる。
ひとつとして榊を欠かしたものはなく、誰がどのようにお供えをしているのかが気になった。
漁具、そのへんに打ち棄てられるもの。
既に生活の気配のない土地や家屋に附随することが多く、崩れてなくなるまでの時間を寄り添って待っているかのようにも見える。
村役場。新しい建物ではないと思うが、「神津島村役場」の文字の重厚感と、飴色のタイルの渋い温かさが結構好きかもしれない。
カラス。天上山でも何羽か見たけど、こちらのカラスはゴミを荒らしたり、無闇に鳴いたりしないので、そんなに悪い印象を受けなかった。
扉の閉ざされた民宿たち。
扉こそ閉ざされているが、間取りは完全に民宿仕様なのだとか。
物忌奈命神社にやって来た。
古くから付け替えられていないけど、大切にされてきたであろう石段。
さすがは漁業の島。島内にいくつか派閥があったのだろうか。
参道はとあるおじいさんが丁寧に掃除をしていた。
景観のつくり手としての、地域社会への参画。掃除もそのひとつ。
非常に立派な神社で、境内には末社がいくつも祀られていた。
さすが神の集う島だけある。
何にも気にせず、いろいろ楽しむことができる島だな、と感じた。
伊豆諸島と関わりの深いサークルの友人曰く、「何も考えずにふらっと来れるのが伊豆諸島の良さ」だそうだ。
思えば伊豆半島には足繁く通っていたし、県内にも都内にも長く住んでいたし、何なら曽祖父は伊豆諸島との関わりが深い人だったと聞いている。伊豆諸島は「近いようで、とても遠い島々」だったし、島に行くと言えば私は南西諸島だったので、そこに“ふらっと”という感覚はなかった。
伊豆半島東海岸を彷彿とさせる景色、島の方々の口からは耳馴染みのある方言が飛び交い、挙句テレビは伊豆半島東海岸と同様に、在京キー局と在静局の両方が映る。ラジオに至っては地上波はSBSラジオしか入らないのだそう。
ちなみに、AMラジオの地上波に至っては在京局の聴取が困難で、ラジカセからは大抵SBSラジオが流れているとのこと。
— Mihi Rope (@mihirope) March 13, 2023
確かに、最寄りになるニッポン放送木更津送信所(1242kHz 100kW)でさえも、初島にあるSBSラジオ熱海中継局(1557kHz 100W)のほうが近く、東に山が聳える神津島では方位上でも不利になる pic.twitter.com/6wb3tYobNI
ここはリトル静岡である。でも東京都である。
リラックス・神津島温泉保養センター
昨日と同様、神津島温泉保養センターで入浴。1時間半くらいかけて、温冷交互浴を満喫した。
この日は往復ともバスを利用した。ちなみに、Ringo Passを入れて初期セットアップをしておくと、キャッシュレスでバスに乗車できる上に、利用後アンケートに答えれば、観光協会で島グッズを入手できる。内地に戻っても、シェアサイクルのポート状況を確認できる、ちょうどよいツールとして使える。
アクティビティ・星空観察
神津島は星空保護区として、街灯の規制などを行い、村落からあまり離れずに星空観察を楽しむことができる。
神津島が星空観察に向いている理由としては、東側に山が聳えているため、早い時間の月の出を気にする必要がないことがあるように思われる。
前日に星空ガイドさんに案内してもらったときは、厚い雲に覆われて流星がひとつ見えただけで終わってしまったが、この日はよく見えた。とはいえまだフルパワーではないようなので、夏の天の川のシーズンにもう一度リベンジしたい。
本編④へつづく。