伊豆諸島で転地療養した話⑥ 波浮港~地層大切断面 そして内地へ
前回までのあらすじはこちら。
アクティビティ・波浮港あるき
伊豆大島からおはようございます
— Mihi Rope (@mihirope) March 15, 2023
富士山がはっきりと見えます!その左側(南側)には大室山と伊豆高原、さらに左側には矢筈山も見渡せます pic.twitter.com/fdpoa1t2Td
昨日も使った大島バスの2日乗車券で、朝から波浮港へ向かった。
ちなみに、波浮港で朝ご飯を食べられるお店はほぼない。予め元町で買っておくことを強く推奨する。
つくりすぎていない、生活感のある街並みが、ぎゅっと詰まっている。
海端へ降りると、海水の澄んだ色にこころが溶けそうになった。
坂を登る。港町には、必ず猫がいる。
ここにもいた。
上から見た波浮港の町並み。見えているほぼ全域が波浮港1番地である。
噴火口の縁が崩れて海水が流れ込み、真ん丸の港を成したことが非常によくわかる。
高台には船主の住宅が集まる。立派な石垣やなまこ壁が印象に残る。
踊り子の里資料館。川端康成著『伊豆の踊子』に出てくる踊り子(薫)は、波浮港出身という設定になっている。「やとなみ」というのは、ここはかつて港屋旅館であったため。
船主の邸宅のひとつ、旧甚の丸邸の2階。養蚕ができる建付けになっていたとか。
高林商店。駄菓子屋と酒屋を兼ねた感じ。オリジナルグッズも売っていた。
こちらはゲストハウスの青とサイダー。
波浮港に移住をされた方々に関する記事はこちら。
オオシマザクラ。水持ちの悪い土地でも根を伸ばせる自生種。
純白の花と新葉が同時に出てきて、春先の島の風景を鮮やかに彩る。
自然と人の営みが隣り合わせである。
地域住民の方に、歩道美化や都道植栽帯に花苗を植える等の緑化を行っていただいています。今回は大島町婦人会波浮港支部の活動場所をご紹介します。ツルコザクラが見ごろになっていますので、近くを通行される際は、ぜひご覧ください。活動にご興味がありましたら、大島支庁土木課までご連絡ください。 pic.twitter.com/IiS7gPzpOm
— 東京都大島支庁 (@ooshimashicho) March 13, 2023
係留された漁船と、幸せの黄色いバス。
大島の各集落には、このように地区名の表示板がある。中山間地域でも同様のものがよく見られる気がする。
ちなみにクダッチとは、
そういうことである。
どうやら都立大島海洋国際高校の船舶らしい。校舎は差木地にある。
船も踏切のごとく順番待ちをする。
お昼ご飯を「港鮨」さんでいただいた。
余計なものが入っておらず、寿司とはこういうものか、と感じた。本当に美味しかった。
一生に一度は食べておきたいグルメのひとつにラインナップした。
お店の内装もこだわっている。ランチは予約がおすすめ(ほぼ確実に並ぶので)。
アクティビティ・地層大切断面と火山博物館
バスの運転手さんの計らいにより、撮影のために2分ほど停車してくれた。
これだけの回数噴火を繰り返した、ということ。伊豆半島側には、あまりこういったわかりやすいジオスポットがなかった気がする。
元町集落の最南端にある火山博物館。ここのシアターがすごい、とおすすめされて観てきた。NHK制作で、音響にもこだわっており、旅の始めに見ても終わりに見ても、学びを深めることができる良いスポットだった。
リラックス・伊東温泉の共同浴場
ジェットフォイル大漁に乗り、伊東に到着!5日ぶりの内地です。おつかれさまでした pic.twitter.com/om0elWXGtL
— Mihi Rope (@mihirope) March 16, 2023
伊東の銭湯…………降り立つと、なにかを求めて必ず立ち寄りたくなるもの。 pic.twitter.com/tB7dq8mkiO
— Mihi Rope (@mihirope) March 16, 2023
岡田港からジェットフォイルに乗り込み、伊東港に降り立った。
平日でも伊東に降ろしてくれる期間は限定されており、割と貴重(似たような寄港地に稲取・久里浜・館山がある)。
その足で、松原大黒天神の湯へ向かった。伊東の街中には共同浴場が9つあり、6つある財産区で1~3か所の共同浴場を管理している。
信号もあるし、銭湯という存在がすっかり「内地の街」である。
近くて遠かった伊豆諸島への旅は、幕を閉じた。
感想
何より、毎日ちゃんと動けたことは大きな成果だった。加えて、島にちゃんと滞在するという経験は大学三年生以来だったので、トレッキングを楽しめるようになったのもよかった。
帰ってきてから「顔色良くなったね」と言われることも増え、転地療養としては大正解だったように思う。とはいえ、帰ってきてから数日でまた体調がガタっと崩れたりしたので、あくまでひとつの弾みをつける機会でしかない。
アテンドしてくれたサークル同期の言葉を借りれば「ふらっと気軽に訪ねられる島」である。これまでの私の島旅は南西諸島が中心だったので、岡田港を出て35分で伊東というのが不思議な感覚だった。それだけ身近にあるのだ。
実は東伊豆も全然降り立ったことがないし、フェリーあぜりあと組み合わせて他の島もゆくゆくはまわってみたいな、と思う。
末筆ながら、神津島・大島でご親切にしていただいた皆様、そして仕事の片手間ながら丁寧にアテンドしてくれたサークル同期に、心から感謝申し上げます。